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カラー原稿は、印刷物になって初めて完成する。

カラー原稿を描いて、カラーコピーしたら、「どうして全然違う色になったんだろう」と思ったことはありませんか?


プロでも、「自分の家のPCで描いた絵と印刷に出た色が全然違う」とか、「絵の具で描いた絵は印刷に出にくい」と仰る。
画集や単行本で見慣れた筈の絵が、原画を見てその色の違いに驚く、といった経験、ないですか?
『印刷効果を計算してカラー原稿を描く』というのは、経験が必要なんですね。


アナログ原稿ならスキャンしてコピーする場合や、デジタル原稿ならメディアにコピーして別のPCに移す場合でも、一旦は(マシンによっても違いますが)2色か3色にデータ分解して再構築するんです。写真製版だと4色プラス黒で分解するので、かなりマシに再現しますが、それでも絵そのままには再現できません。フォト・リトグラフだと完全な再現が可能ですが、コレは高価なので、通常の雑誌や小説本のカバー絵には向きません。

そんなわけで、カラー原稿を描く場合は、画材にもよりますが、印刷効果を考えた色の使用や配色で描くと実際の印刷で効果が発揮できるのです。


まず、カラー原稿を描いて、白黒コピーをとってみましょう。
コレで色の濃淡がはっきりと分ります。
カラー原稿を描くのに慣れていない場合、色にごまかされて、濃淡がついていなかったり、濃淡の場所が間違っていたりする場合が多いみたいです。薄い色が好きで、彩色が違うだけの同じ様な濃さばかりで描いていると、インパクトの薄い絵になってしまいます。また、濃い色ばかりを塗った、全く立体がない絵になっていませんか?
白黒コピーにしてみて、白黒でも成立する絵になっているなら、まず第一段階はクリアです。そうなっていない場合は、色の濃さに気をつけて塗っていきましょう。


次に、画像編集ソフト(Photoshopなど)を使って、色調補正(イメージの簡易色調補正など)を開いてみると、カラーバランスがわかると思います。
例えば2色分解の場合、緑と紫は真反対にあり、黄色と青も真反対、赤と水色が反対色だということがわかります。

水色の空に桜、という絵を描いたとしましょう。
キレイな水色にあわせて印刷すると、桜色は水色がかって印刷されてしまいます。
反対に桜色にあわせると、水色の空が多少赤みがかります。
ペパーミントグリーンと藤色で描いたとすると、藤色にあわせると、ミントグリーンは黄色に変色します。
ミントグリーンにあわせると、藤色は青くなります。
オークル(黄土色)黄色にあわせると、青は退色するので、紫っぽい赤は小豆色になります。
赤紫にあわせると、黄色が赤味がかって茶色になります。

こんな感じで、機械での印刷には難しい色の組み合わせがあります。なので、どちらかに合わせた印刷になるように、色を作って組み合わせると効果を有効に使うことができます。
オークルと赤紫の配色にしたい場合ならば、赤紫を、黄色がかることを計算に入れてラベンダーにするか、オークルを、青味がかることを計算に入れて黄色にしておきます。色調補正で色々と研究してみて下さい。
同様に、コントラストでも色が移動します。

更に、モニター上ではちゃんと色が出ていても、印刷になるともっとハッキリと色が偏ります。こればかりは試し印刷で確認して下さい。


絵の具で描いた絵は、スキャナでの取り込みより、デジカメで写真を撮ってデータに変換してから補正して印刷すると、多少は楽に印刷ができる場合があります。但しこの場合、ライティングに気をつけないとダメなので、何人かで協力するか、アルミホイルや白い傘を反射板にして照明をセッティングすると、より原画に近い色合いで撮ることができるみたいです。