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人物の、顔や体のデッサンが上手くできません。

上手く描けない原因として思い当たるものを、幾つか挙げてみましょう。


1.自身の姿勢が歪んでいる場合

自分の描いた絵を裏返して透かして見たり、友達に見て貰ったりして、細かく観察してみて下さい。絵のクセが判ってくると思います。
全体的に右か左どちらかに傾いたり流れたり、またどちらかが広いとか狭いとか。
あるいは上下にずれているとか。

これらは、描いている時のあなた自身の体の歪みが出ている場合が多いのではないかと思います。

例えば、左肩が下がっている場合は、絵が全体的に右に歪みます。
右利きの人は線を描く時に自分の胴体を無意識に肘が避けるので、右下にどんどん下がった絵になることが多いです。
このクセは、絵に限らず字にも表れやすいので、貴方の書き文字もチェックしてみましょう。

◇こんな姿勢になりがちではありませんか?◇

肘が身体に寄ってくると、肘を避けて身体を捩ってしまう。
右肩も下がりがち。

肘を身体に寄せられなくて、腕が外側に流れる。

左肩が下がっているため、身体の軸も傾き気味。

自分の描き方のクセをよく覚えて、意識して直すよう心掛けてみるといいと思います。
描く時の姿勢が悪いか、元々どちらかの肩が下がってる等の体型の歪みで絵が上手く描けない人もいらっしゃるようです。
姿勢を直し、肘を胴体に引きつけて持っていくように腕の動きを意識して変えると、体が上手な描き方を自然と覚えると思います。


2.描き慣れていない場合

男性の多くは、筆圧が強いのが問題かもしれません。
指や腕に力を入れ過ぎて思うように手が動かせていないか、あるいは手首だけを動かしてしまっていないでしょうか。

女性の場合は逆に筆圧が弱いのが問題になるかもしれません。
手首のスナップで線が湾曲したり、メリハリの無い弱々しい線やチマチマした線を描きがちではないでしょうか。

また、結構描いているんだけど、という人の場合でも、筆記用具の持ち方に問題があったり、手の動かし方にクセがあって描いた線が歪んでしまう、という場合もあると思います。
姿勢とも関わってくるのですが、これらのクセを直すだけできれいな線が描けたりします。


3.デッサンが本質的に狂う、またはポーズが上手く描けない場合

形が頭で理解できていないのだと思います。
鏡の前に立って自分の体を動かしてみましょう。
肘を曲げる、バンザイしてみる、座る、等のポーズをとって、どこがどの程度曲がるのか、どこに力が入るのか、どう傾くのか、どこがつっぱるか。
理解できると、描けるようになります。




自分のウィークポイントが掴めたら、これらを直していきましょう。
そこで、次のような方法はどうでしょうか。

線を描く練習

B4サイズ以上の紙を用意しましょう。新聞紙でもなんでも構いません。真っ白な上質紙である必要はないです。
鉛筆かペン(ロットリング等、先の細いものは不向きです。折れちゃうかもしれません)を持って、まずは深呼吸します。
次に、肩・腕・手・首の力を抜きます。
軽くストレッチしてみるのも良いです。
ポイントは手首と肘を自由(フリー)にしてあげる事。
姿勢にも注意です。
慣れないうちは姿勢を正しながら余計な力を抜くのは大変かもしれませんが、ここは意識して頑張ってみましょう。

次に、紙から少し手を浮かすようにして、
● 30cm程の長さの縦線を10〜50本、
● 同様に横線を10〜50本、
● 大きな円や小さな円を10〜50個ほど
描いてみて下さい。
円は出来るだけ真円に、ちゃんと繋げて描きましょう。
横線は最初左から描いたら次は右から、円も左回りと右回り、両方描いてみて下さい。
おそらく、形の歪み方が違うはずです。描きながら直していきましょう。

気をつける点は、肘や手首の力を抜いてやわらかく。(しつこいくらい言ってますが)
小指の側面を紙につけないように、腕全体を動かして、肩や体も動かして描くようにすることです。
(但し、くどいようですが姿勢には注意しましょう。描いたら元に戻ること)
あと、自信を持ってしっかり線をひく! ように心掛けて下さい。

ちょっとお習字に似てるでしょ?
そうなんですね、あの要領なんです。

この練習の効能は、短期間で練習に使った筆記用具に慣れることができるところ。
また、ペンの持ち方ひとつで絵が描きやすくなることもあるので、この練習で正しい持ち方に矯正すると、沢山描いても手が疲れにくくなります。


植物のスケッチ

滑らかで繊細な絵を描くための手の動きの練習には、花の写生が効果的です。
写真でも構いません。本物の方が細部の観察はしやすいですが。

大まかに花の全体像をラフ画で描き、細かなところもよく観察して描き加えていきます。
茎の硬さ、やわらかな花弁。葉の付き方、花びらの付け根。
花はその全てが流線で出来ています。
観察するときは色々な角度から見ますが、注意する点は、描く視点はズラさない事です。
百合やカーネーション、ガーベラや菊など、複雑で面白い形のものがより効果が上がります。
陰影のつけ方や、紙に対して全体の構図の勉強も出来、観察眼を養う訓練にももってこいなのです。

花を写生した後に人物を描く。
これを繰り返すと確実に絵が上手くなります。

実際に植物のスケッチを繰り返し練習したM君の絵を参考に掲示させてもらいました。
左が初期の頃、右が練習を繰り返した後のものです。
左の絵は線もやや硬めで、花の部分が塊のように「のっている」感じがしますが、
右の絵は線に柔らかさが出て、茎から花びらまでちゃんと「つながっている」ように描かれています。
M君も、植物を繰り返し描く事によって、人物の構造もそれまで以上に掴めてきたそうです。


M君、どうもありがとう。


人物の構造を理解する練習

前にも人物画をパーツで捉えたりしていますが、人物の構造を理解できていないとお話にならないので、しつこいようですがまたやります。

マス目(方眼)の入ったトレーシングペーパーをモデルにしたい写真や絵にあて、簡単にトレースします。大まかな形が判る程度で構いません。
トレースできたら色々な部分の長さ、他の部分との距離等、測って見ましょう。

単純に、定規で測ってもいいです。
全体に自分でマス目を入れてみると、傾きや長さの比率が掴めると思います。

また、他の方法として、自分の絵の外側の線だけトレースしてみて下さい。
こうしてシルエットにしてみると、どこが変なのか良く判ります。
自分が上手いとかカッコいいとか思う絵も同様に外側だけトレースして見比べてみて下さい。
上手い絵は、シルエットでも何が描いてあるのか判ると思います。
そうやって、自分の絵のシルエットを修正すると、デッサンの狂いも直りやすいのではないでしょうか。